● 9月後半の日記 ●
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9月18日(火曜日)
世の中が恐ろしいスピードで動き出して1週間が経った。どんな時がこれから刻まれていくのか予断を許さない。
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前回の逢瀬から確実に9年ぐらい経ってしまった。デビューからもう10年になるという橘いずみが今日のゲスト。まもなくリリースのアルバム「ベリーボタン」はいい具合にこなれている。だから会うのが楽しみであった。デビュー後彼女ほど歌の顔つきが変化していったアーティストも珍しいと思う。このこなれかたに行き着くまでをとても聞きたかった。
あの頃のトガリ方を今もかっこいいと思う。でも、今の自分の立ち位置は立ち位置でこれでええと思う。ステージで熱くなっている自分を客観的に見る自分がいたりして、それはいやなんだ。でも、しようがないのかな?彼女の口から出た言葉たちの断片である。
尖っていたあの頃を宝物にして丸くなる。最高だと思う。いつでも牙をむける心構えさえ忘れなければいいのだ。そして彼女はこれからもそれが出来るヤツだと確信した。
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9月19日(水曜日)
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一生懸命生きている。だから映画もマメに見て良いモノは番組で紹介しようとしている。少し前の中国映画「山の郵便配達」は良かった。だから今度は今秋公開の中国映画「こころの湯」の業務試写のお声がかかった。忙しいけど時間を作って間に合うようにチャリ暴走で東宝東和の試写室に行った。だが試写はそこではなく東宝の試写室であった。帰ってきて事務所前で悔しくて泣いた。がっくり肩を落として事務所に戻りデスクワークをした。そんな午後だった。
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9月20日(木曜日)
基本的に3人でライブでも何でもやっちゃうChoro Club(ショーロ・クラブ)が今日のお客様。こんな文字で音楽を表すのはほんまに難しいんだけど、やっぱり心に優しい音楽ってのが一番ぴったりしているかな。実はボクは会うのをすんごく楽しみにしていました。写真でも分かるように、ボクを含めてええおっちゃんの域に達しています。だから話しにきゃぴきゃぴなんてこっから先も無かったけど、なんかじんわりと馴染む気持ちでトークをさせてもらったのです。有機的な音楽、あなたもやはり試してみそ!
左:笹子さん(ガット・ギター)(結構スポークスマンでもある。)
中:秋岡さん(バンドリン) (フラ・マンのブラジル版)
右:沢田さん(コントラ・バス)(プロデュースなんかもしたはります。)
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9月21日(金曜日)
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毎月一度ボクの番組を定例で訪ねてくれる直太朗くんが4回目の登場であった。またいつものようにギター1本でスタジオライブもしてくれて変わらぬ伸びやかな歌声を聴かせてくれた。「染みるなぁ〜」これがやはりいつもと変わらぬボクの感想。最初ゲストに来だした頃にあった微妙な距離感も4回目にして消失した。彼はボクの前で好きなことを言う。ボクもそれに応える。しかしこの好青年は絶妙のバランス感覚を備えていて決して踏み外さない。簡単そうに見えてこれはなかなか難しいのである。今後がやはりとても楽しみだ。来月来てくれるときのボクたちの話しはどこに進むか予想だにつかない。
ファンもぼちぼちと増えてきて、似顔絵付きの丁寧に書かれたファックスを素直に喜んでいる好青年と、横からそのファックスを嫉妬と共にペリッとちぎろうとしているおじさんの記念撮影。
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9月25日(火曜日)
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9月27日に税込み1000円のおいしいマキシ・シングルをリリースする5人組Rally
Papa & Carnegie Mamaがゲストだった。大阪・神戸の若者たちであるがはじき出す音は確実に音楽をずっと聴き続けてきたマニアにノスタルジーを感じさせる。「なんで?」ってとても聞きたかった。でもきっとそれは彼らが狙ってやっていることではないのであろう。自然体の自分たちを音にするとそうなるって感じか?とにかくこのシングルは買いである。そして音を予習して10月21日のミナミ・ホイールでライブを試食されるのがよかろう。ええ青年たちであった。記念撮影も一人を除いて緊張している感じがなかなかのものである。 |
前左:ツジ・ボンド (太鼓)(一人でご機嫌さん!)
前右:ミズタ・トム (ベース)
後左:チョウ・ヒョンレ(ギター・ヴォーカル)
後中:キム・ガンホ (ギター)
後右:キム・スチョリ (キーボード)
と、言いつつ本番を終えてスタジオを出ていく前に横一列に整列させて無垢な若者達に「そもそも、俺のルーツはやなあ、、」と、またお説教を垂れているところをパパラッチが激写しやがった。業腹である。
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9月26日(水曜日)
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言葉を大切にするアーティストは多いが今日のゲスト、オセロケッツの森山公一もやはりその筆頭に挙げられる男である。今日で3度目の登場。ニュー・アルバム"Eject"の話しなどを中心に聞いた。んまあ、元来、歌で気持ちを伝えるヤツは改まってトークで「あんたの歌詞ええなあ」って誉めてみたところで照れてしまうだけである。愚問を重ねてしまった。にもかかわらず、またスタジオ・ライブでアルバムからのバラード"Trap"を聴かせてくれた。ええ味だしてた。機会ごとに会いたい男でもある。
記念撮影の時にギターの弦をいっぱいいっぱいに締め上げたったら「ヒロさん、あかんて、ボクのギターそれでのうても順反り気味やのにぃ、かなんわぁ〜」って顔の演技をしてくれる純関西人の森山くんが、ボクは好きだ。
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9月27日(木曜日)
コンコルドっていうすんごいJazzレーベルからデビューしたばかりのFried PrideのGuitar横田さんとVocal・Shihoさんが今日のゲスト。もう何にも言いません、とにかくCD買いましょう。ぶっ飛びます。小手先ではない実力はボクが保証します。スタジオ・ライブもしてくれはったけど、あいた口が閉まらなかった。アゴが外れた。また来て、またやって欲しい。ほんまに、やって、やっての心境である。2人ともいい人でもあった。
昨日に続いてギターにイタズラをする。しかし、ちょっとしたフィンガー・ピッキングにボクの実力を思い知った横田さんはその音色に恍惚の表情になってしまった。「ごめんね、うますぎて、ボクも。」
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