HIRO T'S DIARY

● 11月前半の日記 ●

11月1日(金曜日)
4年ぶりにTuck & Pattiが戻ってきてくれた。7枚目のアルバム"Chocolate Moment"をリリースして今日明日はブルーノートでのライブなのである。久しぶりとはいうものの大の仲良しのふたりである。インタビューも弾んだ。そしてスタジオ・ライブも披露してくれた。前回まではボクがミックスしていたのであるが、すべてプリセットしてあるミキサーのようなものを持ち込んで来たのでボクはただタックのミキサーから送られる信号を受けるだけ。だからホントにたっぷりと彼らのライブも堪能させてもらった。下右の写真のタックのギブソンは1949年製だそうな。まさにビンテージである。


そう、それと彼らは来年のバレンタインあたりにラブソングのカバーアルバムを出すとのこと。ほんで日本のファンから70年代から80年代のあなたの好きなラブソングのリクエストをネットを通じて受け付けているそうな。ぜひ彼らにやってもらいたい曲をこのアドレスでリクエストしてみてください。
www.tuckandpatti.com

11月4日(月曜日)
このホームページをやっていてみなさんからメールをもらったりしてたまには返事を出したりもしているがおもしろい出会いもあったりするのである。高槻でギター製作をやっている有満慎一さんという若い男性からメールをいただいた。ヤイリ・ギターで修行をして今年の始めから自分の工房、アリミツ・ギター・クラフトを立ち上げたとのこと。ホームページも紹介されていたので覗いてみた。(www3.ocn.ne.jp/~arishin/) なかなか味のあるギターを作っておられる。そこで膝をたたいた。ボクが昔ヤマキで作ったギターは全てアコースティック・ギターでエレアコではない。「そうや!彼にボクのギターをエレアコにしてもらおう!」って決心して連絡をした。すぐに来てくれた。勿論彼の自慢の力作のギターも持って。なかなかのクラフトワークである。ボクも自分のオフィスでちょっとつま弾かせてもらった。ええ感じや。ちょっとギターに興味のある人はぜひ彼のホームページも覗いてみてください。

ボクのギターはエレアコに完成して戻ってきたらお目にかけることにしよう。ギターっていいよね、やっぱ。
11月8日(金曜日)
1週間が瞬く間に終わった。そして明日は年に一度の人間ドックの日なのである。もうこれで9回目になる。今まで一度も引っかかったことがないのも密かな自慢だ。そして回数をこなすに連れてボクのベテラン度も当然アップするわけで検査から検査への待ち時間に文庫本を持ち込んでいる。ただ最近は送られてくる本に目を通すことに追われて自分のチョイスでの読書から遠ざかっていた。「自分で選んだ本を読みたい!」という衝動にかられて午後チャリンコで旭屋書店まで出かけた。山のようにある選択肢からボクが選んだのはやはり昔からのボクにとっての御三家、東海林さだおさんの「タケノコの丸かじり」、阿刀田高さんの「他人同士」そして筒井康隆さんの「家族場面」だった。尊敬する3人の先生に囲まれてボクはほくそ笑んだ。明日はどの先生とご一緒しようかな?バリウムの味もまろやかなものになるだろう、きっと。
11月12日(火曜日)

802のいくつかの番組をアコースティックな弾き語りでツアーして歩くという企画でハナレグミの永積タカシがやってきた。「どうせならたっぷり弾き語りなよ。」ってことで9時台の1時間の間に4曲もやらせちまった。永積くん、気持ちよさそうだった。ボクの心にも沁みた。トークは比較的少な目であった。今回は「弾き語り」ツアー、しゃべりは次回の「語り」ツアーの時にでもたっぷりと。

出演を終えて彼のヤイリでボクも弾き語ってみた。「感動したような顔しろよ!」って命令したのに、悩んだような表情になっているのは何故なんだろう?ひょっとすると永積くん早起きのせいで偏頭痛を起こしていたのかもしれない。バファリンをあげればよかったかなって反省している。

11月13日(水曜日)

オレンジ・ペコーのふたり、藤本一馬とナガシマトモコがやって来た。デビュー前から知っているし、2人とも関学の後輩でもあることからもうかなり親密なのであるが、しかし、番組にゲストで登場するのは今日で2回目。ちょっと自分自身驚いた。まだデビューして1年ちょっとなんだが確実に「成熟」していっている2人を今日はきっちりと感じた。これからも「ええ音」「ええ味」を届けてくれることであろう。

記念撮影の時トモジは「いやぁ、あたしスッピンや!」と言いつつメチャメチャ照れてボクの後ろにほとんど隠れてしまった。決してボクがたっぷり写りたいので空間を占拠したのではないことをここに明言しておく。しかしながらこのトモジの隠れ具合はほんまにちょうどええ按配ではある。

11月14日(木曜日)
広沢タダシ。彼も縁もゆかりもたくさんある人間なのだが、番組への登場は今日が3回目。昨夜バナナ・ホールで吉田直樹くんと「猫背兄弟」というユニットライブをしてその明けで来てくれたのだ。(彼のプロデューサーで昨夜も一緒にやった亀田誠治さんからも朝8時ぐらいに「打ち上げではコーラしか飲まなかった広沢をよろしく」のメールまでいただいた。)とにかく楽しそうなライブだったようだ。ガス抜きにはもってこいだろうね。さて、12月4日にリリースのシングル「ブルー」のプロモーションであったが未発表曲「愛はひとつ」をスタジオライブでしてくれた。いいね、とにかく。これからもマイペースでいい曲を出してくることであろう。

「水泳と絵を描くことは超苦手」とインタビュー中で言ったのでスタジオを去る前に色紙に絵を強引に描かせてやった。お題は「ギターを持ってほほえむヒロT」であった。広沢画伯はイメージをとりまとめるところからコンセントレーションに入って約5分でアートを仕上げてくれた。ガウディもひょっとすると蒼ざめてしまうかもしれぬこのアートは残念ながら今公開する事は出来ない。そして激レア色紙は12月最初の2週間のスペシャル・ウイークで突然1人のリスナーにプレゼントされることになったのだ。そのウイナーだけがこのアートの全貌を知ることになる。ただ、この下の写真を見れば「爆発するアート」がどういうものかのイメージは抱いていただけることであろう。それで今は我慢してくだされ。

さて今日は実はもうひとつステキな出会いがあったのだ。この出会いについてはスペシャル・ウイークが終わった12月20日金曜日の午前10時半ごろにリスナーのみなさんには明らかになるのだ。おたのしみに。ただ、広沢くんにも言った「今日は絶対泳ぎに行くねん!」という決心がこの午後の出会いのためにすっ飛んでしまったことだけは記しておく。今週は結局運動は出来なかったのだ。でもこの「午後」の出会いはそれを補って余りあるほどのものなので、まっ、よしとするか。

11月15日(金曜日)

11月4日の日記に書いたボクのギターのリペアが完成した。このギターは1979年頃ボク自身がギター屋さんの時にひとりで作った思い出のアイテムなんです。年月を経て相当に修理が必要だったし、加えてコンデンサ・マイクとピエゾ・ピックアップの新規マウントと大改修になった。請け負ってくれたのはボクの横でちょっと緊張気味の有満さん。(詳しくは4日の日記を参照のこと。)とにかくすばらしい仕上がりでギターを完成させてくれた。メチャメチャ嬉しかった。(ええ音鳴りよんねん。)

やっぱいつまでも使い続けるのが大切なことで、それを可能にしてくれたクラフトマン、有満さんに大感謝の午後であった。ちょっとここんとこ、忙しすぎるのでホッコリ出来た午後でもあった。

11月15日(金曜日)(夜〜深夜の巻)

夕方からおけいはんにうち跨って(電車にまたがれるかどうかは又の機会に究明するとして)夜の京都に繰り出した。

4月以来7ヶ月ぶりの京都は変わらぬ風情で「お越しやす」と言ってくれた。祇園をテクテク歩いて夕食は「にしむら」というありがたい懐石料理屋さんでいただいた。途中出てきたスッポン汁と分厚く切られたアンキモに箸を出せなかったボクとTさんは意外に「お子ちゃま」だった。料理はすこぶる美味でひたすら箸を動かす。だからデザートの柿だけを一応押さえてみた。

ちょっと軽く酔いながら次の店に移動中に超大昔のポストを発見。将来歴史博物館を建てるときのためにここでも一枚押さえておいた。貴重な資料と言えるだろう。

前回も訪れた花七軒の路地の奥にあるショット・バー「アブサン」に立ち寄った。ボクと一緒にほほえむのはマスターのアブサン。カウンター6人でいっぱいになってしまう狭〜いお店だがボクにはなぜが居心地のいい空間だ。前回ここで出会ったポールはいなかった。(マッカートニーさんでないのは言うまでもない。)彼に7ヶ月前この店で"Memoirs of Geisha"という本を勧められてつい先頃読破したばかりである。彼とそんな話しが出来なかったのがちょっとざんねん。

でもアブサンはたのしい人である。スポーツ大好きおじさんで昔から築き上げたスポーツマンとの絆をとても大切にしている人なのだ。彼との時間はいつもたのしい。


その後まだ飲み足らぬTさんとボクはウロウロと祇園の細い道を歩く。京都でびっくりするのはその暗い細い道でも、人が歩いていてもタクシーさん達がかなりの勢いでその路地ともいえるような道を駆け抜けていくことである。歩きづらくってしょうがない。でも夜風が火照った頬に気持ちいい。最後に訪ねたお店はバー・モンクス。ここの娘さんは真琴という芸妓さんで、また彼女はメジャーデビューをしているシンガーでもあるのだ。今夜は外のお座敷が忙しいらしく会うことは出来なかった。Tさんと2人っきりなので「おこしやす。」の真似をしてみた。墨痕鮮やかに認められた何と書いてあるのか読めない書が掲げられた和室でTさんと深々と更ける京都の夜を語り明かした。

今夜の酒量。ビール適量、焼酎お湯割り3杯、ブランデー・ロック3杯。

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