8月14日(土曜日)
丁度1年前の今日8月14日木曜日、早朝午前5時40分。小雨の中ボクはビニ傘をさしてチャリンコで国道1号線の歩道沿いをFM802に向かっていた。その時脇道から暴走オバチャリが飛び出してきた。よけきれなかった。右手でブレーキをしながら彼女のお腹にその手がめり込んだ。激痛。右手を見ると手の甲が手首からずれていた。本番まで20分、激痛にうめきながら彼女に異常がないかを聞く。当たりどころが良かったのか彼女は無事とのこと。ただ本番まで20分、これ以上の会話は無益である。「二度と飛び出すなよ!」と悲痛な声を投げかけ802に入る。スタッフに状況だけを説明して本番を開始。この事故に触れることはその日からずっとなかった。4時間の番組が終わる頃には右手が紫色に腫れボクシングのグローブをしているようだった。放送終了後、整形外科へ。レントゲンの結果は「右手首脱臼骨折」とのこと。一般的にはバートン骨折と言われているらしい。手術をして生涯外す必要のないチタンプレートを埋め込むとのこと。「すぐにしてください。でも番組に穴は開けられないので金曜日にしてください。」つまり翌日15日にして欲しいと要請。全身麻酔の検査などがあるので翌日は無理とのこと。鎮痛剤と副木を当てて1週間をそのまま過ごす。そして去年の8月22日金曜日一泊入院でチタンプレートの埋め込み手術をした。全身麻酔から目覚めたボクは激痛で一晩うなされていたのを昨日のように思い出す。そのチタンプレートが装着されたボクの右手首が下の2枚の写真だ。シュワちゃんもきっとびっくりするだろう。その後リハビリを開始した。週に3日、途中で2日になったとはいうものの往復の移動時間も含めて毎回平日午後だいたい3時間強を費やすリハビリ生活が始まった。自分の為だ、忙しい時間をやりくりしてとにかく通い詰めた。そして手首はかなり日常の運動に差し支えなく動くようになってきたのだが・・・・
中指と薬指の第一関節から先に例えようのない痺れが継続。そして手首を限界近くまで曲げると痛みを伴う違和感がいつまで経っても軽減されることはなかった。何度も主治医に相談するのであるが、的を射た回答をもらうことはなかった。今年6月、業を煮やして「いつまでリハビリを続けたらこの痺れと痛みが治るのかその目途だけでも教えて欲しい。」と詰め寄った。主治医はそれでも的確な回答をすることがなかった。
だからセカンド・オピニオンをもらいに行くことにした。
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その答えは小気味よく明快であった。正中神経の癒着による麻痺により指先の痺れが発生。その痺れは再度手首を開いて癒着をほぐさないと取れないとのこと。ただ、初回の手術で正中神経に「傷」をつけていたらこの痺れとは一生つき合わないといけないとのこと。そしてどうせ手首を再切開するのだから骨はもう完璧に治っているからついでにプレートを外せば限界点で起きる痛みも取れるのではないかということ。以上の答えをもらった。そして再切開手術を受けることを決心した、それもセカンドオピニオンの先生の執刀で。スケジュールの都合上どうしても7月23日金曜日、つまり今年のミート・ザ・ワールド・ビートの2日前に手術をせざるを得なかった。だから今年のMTWBのステージ上のボクは「ドラえもん」の右手をしていたのだ。そして左の写真がボクの体内に1年近く入っていたチタンプレートとそのネジである。 |
2004年8月14日現在、まだ右手首はかなり熱をもって腫れている。だからこのプレート除去手術が成功であったのかどうかは不明である。それを知るには最低3ヶ月くらいの時間が必要だそうだ。ただ、今現在声を大にして言えることはボクとしては、やって良かった手術だったということ。イメージでしかないが、右手は間違いなく快方に向かうことであろう。
ミート・ザ・ワールド・ビートで「ドラえもん」の右手が何万人もの人の目に触れてしまったので、事故1周年の今日、自分自身の記録に留めるためにもこのグロテスクな写真たちを日記にアップした次第。上の左レントゲン写真ではチタンプレートを止めるネジが骨を突き破って出ているのに気づいてもらえると思う。
総括。
事故はいつどこで自分自身にふりかかってくるか判らない。でもそんな事故にあってしまった時、インフォームド・コンセントを含めて「ちゃんとした会話」ができる信頼のできるお医者さまを探すことが肝要。医者的マニュアルによると、一生外さなくてもいいプレートを埋め込む手術をしたとしても、10ヶ月経って患者の容態が後一歩のところで足踏みをしているとしたら医者の目線から言えば後戻りの手術であっても、勇気を持ってそのプレートを外す手術を勧める医者を捜すことだ。ボクはセカンドオピニオンでそんな「先生」に出会うことが出来た。
ひょっとして今「?」の気持ちを持ちながら医者にかかっている人がいるとしたら、セカンドオピニオンを取るというのは100%素人の患者サイドから見れば相当に有効な手段である。医者は超専門的な分野を担当するものであるから「絶対」であると考えがち。人にもよるが自分が「絶対」であると思いこんでる医者もいる。でも「絶対」はあり得ない。患者本人が様々な角度から「客観資料」を集めることは有効である。これがほぼ1年近くの「無為」な時間を「浪費」させられたボクがたどり着いた結論である。今現在「?」の気持ちで医者にかかっている人へのアドバイスになればと思いつつ。
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