HIRO T'S DIARY
● 4月後半の日記 ●
4月15日(土曜日)

7回目を迎えるNew Breeze。今年も午後1時に大阪城野音でスタート。開演前はManilaの2人がウエルカムミュージックを奏でる。ボクは腹が減っては戦が出来ないので昼飯をくっていたら、またパパラッチに激写された。今後はパパラッチ対策を強化せねばならないであろう。

午後1時ジャストにオープニングトーク。いつも変なところから登場するボクは、今年はトイレの上から幕開けのご挨拶をした。生憎の空模様の為に3000人より少し少な目、それでも2500人ばかしのお客さまが来てくれた。でも会場全体がカラフルなカッパに彩られてとってもきれいに見えた。そしてそのまま一番バッターのperidotsがステージに登場。今年のニューブリーズがスタートした。

上左はひとりユニット、peridotsの高橋孝樹くんと楽屋で記念撮影。そして上右は最強のバンドを従えてステージで熱唱中のperidots。

彼のライブが終わって、改めてボクはステージから来てくれたみなさんにご挨拶をした。朝からシトシトの雨で会場はやや険悪なムードに包まれ、ボクの渾身の大演説に対してもリスナーのみなさんはそっぽを向いてしまった。こんなことは初めての経験だ。「もっと修行を積まないと!」と決意も新たにした。

会場全体の「そっぽ」を信じない人のために一応その証拠写真もアップしておきましょう。

2番バッターは千綿ヒデノリくん。今回の彼のライブではボクの旧友でもある小林建樹くんがピアノのサポートで参加した。熱く歌い上げるステージだったんだけど、最初マイクの調子が悪くて1曲目の「友よ」が不完全燃焼だった。1人当たりのステージの時間は限られているが、やっぱ彼にはステージで燃え尽きてもらいたいので全部歌い終わった直後にボクもステージに上がり、もう一度「友よ」をやってもらった。

会場のみんなもやんやの喝采で雨がぱらつく会場が温かい空気に包まれた。

そして3番手は佐野遊穂ちゃんと佐藤良成くんのハンバート・ハンバート。一度しかステージを見たことがなかった2人なんだけど、野音でも確実に「ふわふわ」の空気感を伝えてくれた。

セットチェンジの間にはいろいろなことをします。これもそのひとつ、802のDJ紹介。西田新、成田真美、そして大抜卓人の3人をみなさんに紹介した。そしてDJと言えば現在802のアーティストプログラムMusic FreaksでDJをしている風味堂の渡くんも「新しい音」に触れるために会場に来ていたので当然DJ仲間としてみなさんに紹介した。(風味堂もニューブリーズ卒業者なのですよ。)

4番バッターはbahashishi。楽屋での和やかな雰囲気がそのままステージでも再現されていた。ユラリの歌声は本当にゆらゆらとステキだった。デビューは来月。

そしてまたセットチェンジの時間があったので、唐突にギターを持ちだしてThe Beatlesの「From me to you」ってのを口ずさんだ。4月から木曜午前7時半過ぎにやりだしたワンポイントイングリッシュの来週のテーマがこの曲なのでちょっと会場で聞いてもらったってわけ。どのフレーズをピックアップするかぜひ番組で聞いてください。聞き逃しても、もしくはエリア外にいてもPodcast802でも聞いてもらえます。登録して配信を受けて下さいね。頼むで、ホンマ!

Phones 竹本くん、安藤くん、滝川くんとパチリ!
Phones のグルーヴィなステージ!
ベベチオの早瀬くん、平良くんと念のため名札と。
今回はステキバンドを従えて分厚く攻めました。
 Indigo BlueのRinaとKouichi。
抜群に息のあった素敵なステージ。
独特の世界を持つおおはた雄一と。
ステージはみちしたさんと正にゆらゆらと。
雨女 アンジェラ・アキと。
たったひとりのステージと思えぬ歌声で魅了された。
My funny mate, Saigenji
鬼気迫るグルーブで会場を揺らせる揺らせる!
キャプテンストライダム永友くん、梅田くん、菊住くん。
お客さんもピョンピョンとロックを楽しんだ。

 

そして12番目の登場はスムルース。楽屋ではなごやかに冗談などをかっ飛ばしている徳田くん、回陽くん、小泉くん、そして、う〜〜んと、あ、中嶋くんなんだけど、ステージはいつも通り、ごきげんに徳田くんは切れていた。逆さ習字では「ヒロT」を題材に見事に大団円に持っていってくれた。

それぞれの顔つきをもつ12組のアーティストの音が今年も大坂城野音を包み込め、またそのそれぞれがステキにいい音であった。

 

 

 

今年もリハから始まってたっぷりの時間を野音で過ごした。今年はとりわけ寒くて、雨も途切れることがなかった。でもこのライブを体感した人すべてにとってはきっとそのすべてが忘れられない素敵な記憶となって残ることになると信じている。

会場に来てくれたみなさん、あなたの笑顔は忘れません。本当にありがとう!そしてまた来年も楽しもうぜ!

 

 

雑感雑記 #267 (4/17/06記)

「競争」

好むと好まざるとにかかわらず、ボクたちは自由競争社会に生きています。
順風満帆の人生、けつまずきっぱなしの人生、どちらにしてもそれがいつまでも続くこと自体、難しいってことは「ホリエモン」のそれを例に引くまでも無く自明の理です。

大学3年生にとっては今は就職活動真っ盛りの春。なかなか内定も出ずに辛い時間を過ごしている人もたくさんいるはず。社会人でもやることなすこと裏目に出て自信喪失の春を迎えている人もいるかもしれません。

でもそれは長い人生から見てみるときっと今だけの、瞬間的な通過点における「辛さ」のはずです。元気だしていきましょう。

DJヒロ寺平。「肩で風切ってブイブイ言わせて好かんやっちゃ」と思われているかもしれません。
ところがどっこいこの人にも暗く重い暗黒時代があっちゃこっちゃにあったんです。半世紀以上も生きているから意外にたくさんの暗黒時代を通り越してきたような気もします。

10年ほど前に出身高校の同窓会誌にボクの高校生の頃の「暗黒時代」を寄稿したことがあります。大阪府立高津高校という高校で当時もそして多分今も相当の進学校であるのは事実です。

今ひょっとして凹みがちな人にエールを贈る意味でも、また駄文ではあるけれどせっせと書いた文章を限定された人しか読まない同窓会誌に埋もれさせておくのももったいないので次に転記しておくことにします。

小難しい表現を多用して少し読みにくい文章かもしれませんが、よろしくお付き合いの程を。

雑感雑記 #268 269 270 (4/18 19 20/06記)

「蒼き若さの頃」 #1#2 #3

ありえないことが重なって、いきなりオリンピックに出場してしまった町内会のスポーツ好きの若者。それがボクだった。選別を経た優秀な輩が集うのだから必然に近い当然だったのかもしれない。劣等生だった。競争のケツを走るヤツの気持ちを体感した。高津の3年間、総括するとこうなる。

深夜勉強机に向かい、数学の象形文字のような記号を呆然と眺めながら、皆の勉強机の上をコツコツと走る鉛筆の音が聞こえてきたこともあった。一瞬の気のゆるみすら許されなかった。皆、寸暇を惜しんで勉強している。さもなくば天賦の資質の差なのか?努力の限界を見極めることもせず、ひたすら怨み逃げ続けた3年間。

程々に厳格に、適度にまっすぐに育てられた為に自暴自棄も儘ならぬ。遊びたい、さぼりたい。4時限が終了して学校を抜け出し、南海飯店の餃子を貪り喰って家に逃げ帰り「夜、勉強する!!」と叫んで夕食まで昼寝する。「高津は大変なんや!!」と不機嫌に唸り、善良なる母をオロオロとさせる。

薬局で買ったマスクをつけ、当時はパートカラーなどという要所要所のみカラーで、後はモノクロという怪しげなピンク映画の館にドキドキ潜り込む。新世界のジャンジャン横丁をこよなく愛してしまう。将棋会所の乾いた響きの寂寥感、ドテ焼き、モツ煮込みの鋭い匂い、Zボールを読み上げるおばちゃんの声の奇妙なリズム感。その全てが、未だ本物の底辺も知らないくせに、自分は泥の中で蠢く虫だと信じ切っているボンボンをホッとさせる。

皆が小休止をしているような錯覚に陥ってしまう記念祭。3年の時、母にだけは「必ず帰る。」と置き手紙をし、だがそれ以外の誰にも告げずに自主的に記念祭をボイコットして稚内の月を見に行った。鈍行、夜行、そして青函連絡船を乗り継いでの往復3日間の旅。深夜にたどり着いた稚内。そぼ降る雨に月は無かった。日本最北端の秋、最早月はないそうな。駅の入場券を購入する。

蒼い想い出。

高津での3年間。知識よりも人生を学習したのかもしれぬ。高津に入っていなければヌクヌクと見落としていたであろう人生を。 校是のひとつ『自由』。その恐ろしさをボンヤリと認識したのもこの頃かも知れぬ。よく人生を振り返って、もしタイムマシーンがあるならどの頃に戻りたいかという問答が交わされることがある。ボクの場合は高津の3年間を第1シードでお引き取り願う。

ヒロ寺平、現在の生業はDJ。諸兄には軽佻浮薄の権化のような印象をもたれるやもしれない。イントロと呼ばれる数十秒の間(ま)の中に叩き込む語り。そして音楽は直情径行にリスナーの感性に触れる。ジグソーパズルよりも細密に、神経を摩滅させながら都会の時間という空間に絵を描き続けている。それも自分に「さりげなさ」すらを強要しながら。

しぶとくなったもんだ、あの若さの頃に較べて。 2度と戻りたいとは思わぬ過去。焦燥とスレスレの中に生きた3年間。しかしそれが、ディープでヘビーだったが故に、今のボクがたっぷりとあるのでは?とふと思った。でも同時に時が痛みを和らげただけかもしれないと思ってみたりもする。

たくさんの寄り道の末にやっとたどり着いた人生の折り返し点。答えはまだ先。マイクの前で飄々と語り続けていこう。確実に存在したあの若さの頃の3年間を錆び付かせない努力をしながら。 多謝、高津。

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註1(寂寥感=せきりょうかん)
ものさびしいさま。ひっそりしているさま。

註2(Zボール)
大きなドラム缶から空気が上に吹き出ていて舞い上がった色分けナンバリングされたボールがパイプの中を順番に降りてきます。それをお店のおばちゃんが「赤10番の白8番、黄ぃ3番で黒7番」などと独特の調子で歌うように読み上げ、それを聞きながらおじちゃんたちがおはじきをボール紙の上に並べていく遊戯です。早く言えば「ビンゴゲーム」で、おじちゃんたちはボール紙を毎回いくらかで買って見事ビンゴになった場合は相応の「賞金」のようなものが戻ってきていたのでしょう。
今のジャンジャン横丁にはもうありません。残念です。

註3(記念祭)=文化祭のことです。

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3回に分けて読んでいただいたボクの高校時代の「もがき」。

ひょっとすると今もがいているかもしれない諸君にエールを贈る役割を果たしてくれることを期待します。

しがみついて「一生懸命」を忘れなければ、なんとかなります。
なりますとも、きっと。

雑感雑記 #271 (4/21/06記)

「しゃ〜せなとき」

早朝の空に糸のように細いお月さまが浮かんでいるのを見つけたとき。

ずっと思い出せなかった曲のタイトルがフッと甦ってきたとき。
ずっと思い出せなかった役者さんや映画の名前がふと甦ってきたとき。

当てずっぽうに言った地図記号が当たっていたとき。
辞書をひこうとひょいと開けたページにその単語が載っていたとき。

たまにギターを弾きながら気持ちよく歌うとき。
あつ〜いお風呂に入って「プハ〜」と言うとき。
マージャンを半荘8回以上連続で出来る時間のあるとき。

本屋さんで東海林さだお先生のまだ読んでない文庫本を見つけたとき。
ジムのマシーンで隣りのおじさんのウエイトがボクより少ないのを発見したとき。
喫茶店で友人と一緒に注文したピラフの量、ボクの方がほんのちょっと多かったとき。

車道に書かれている細い白線の上をチャリで踏み外さずに通れたとき。
いつもの信号がいつものタイミングで青になり無理な減速加速をしないで済んだとき。

NHKのお天気お姉さん、半井さんのお天気予報を見られたとき。
便秘気味だったのに前夜の鍋の温野菜が効いて朝にたっぷし出たとき。
なかなか減らない体重、体脂肪がちょっぴりでも減ってくれたとき。
見咎められることなく焼酎をいつもより多めにグラスに注げたとき。

そしてもちろん551蓬莱の豚饅があるとき。

幸せなとき。
ふと振り返った「自分史」が濃密に分厚いものであることを実感したとき。

4月24日(月曜日)

お久しぶりぶりのスガシカオ。今日はボクの番組ではなく、4月から動画配信が始まったChannel T-Jamに出演するために来てくれました。場所はボクの事務所の屋上です。ニューシングル「19才」の話を中心にお遊びも含めながらたのしい時間を過ごしました。このインタビューの模様は5月19日から登場しますからね。詳しくは802ホームページでチェックしてくだされ。

今回の収録でスガくんがマージャンをすることを初めて知ったのです。いつかトータスも交えて卓を囲むことを固く約束しました。

記念撮影は何となく「明と暗」という感じで仕上がってしまいました。

雑感雑記 #272 (4/24/06記)

「Mailing List」

メーリングリストってご存知ですか?

これは電子メールを使って、固定的なメンバーでさまざまな議論や情報交換、連絡などをする仕組みのことです。
メーリングリストには、それを代表するメールアドレスが付けられていて、ある参加者がそこに電子メールを出すとそれが本人を含む参加者全員に配送されます。

と、まあこれがメーリングリストの仕組みなのですが、アナログ人間のボクは当然まったく知りませんでした。
4月に入ってボクの番組も、ウエブ関連のミニ番組が出来てチームで動く要素が加わりました。初めての会議で「チームの人数も多いのでメーリングリストを作りましょう。」との提案がありました。

ボクは何も知らなかったのですが、それを知られるのが悔しいので「いいねえ、それでいこう、それで。」と言いました。
ほどなく「メーリングリストが完成しましたので、このメールを受け取った人は受け取りましたのメールを返してくださいね。」と言うメールが届いたので「はい、届きましたよ。」とメールを返しました。そうすっと、ボクのメールが本当にボクにもちゃんと返ってくるではありませんか。いやまあ、嬉しかったですね。楽しかったですねえ。グループのみんなが同時に同じ情報を共有できるのですから。これは便利です。「あれ、言ってませんでしたっけ?」なんてことがなくなるわけなので本当に便利です。

ボクは「文明バンザイ!今まで君んこと知らなかった無知を許してね、ほんとごめんね。これからは文明バンザイだかんね!」と、この便利さにひれ伏してしまいました。

んが・・・・・・・

ほどなく気がつきました、ボクにとって不要な情報もバンバン入ってくるってことに。チーム全員が同じ情報を共有できるのは確かに便利なように見えます。しかし、特にウエブ関連の伝達事項が多いのでボクにとってはチンプンカンプンの電脳用語が乱れ飛んでいるのです。まじめなボクは一生懸命その呪文のようなメールを解読しようと努力しました。わけのわからない象形文字を泣きながら読みつつ、ふっと思ったのです、「今読んでいる呪文はボクにとって必要な情報なのか?」と。

そしてボクは机をバンッと叩きながら叫びました、「メーリングリストってのは仕事をサボりたいやつが考え出したもんや!」って。

いくらチームだとは言え人を選ばずに情報を垂れ流すのはどうかと思います。ひっきりなしに入信する電子メールの束を呆然と眺めながらボクは「TPOを考えない情報くん、失礼ですよ、君たち。」とつぶやいてしまいました。

そしてその日のうちにメーリングリストから除外してもらうことを申し出てやっとボクは「人間」の生活を取り戻しました。メーリングリスト、利用するチームの業態によっては至便のツールなのかもしれませんが、少なくともボクには馴染みませんでした。

「便利」は必ず人を怠惰に愚鈍にしてしまいます。
そして「文明」は往々にして礼を欠いて平気です。

雑感雑記 #273 (4/25/06記)

「ありえない共存」

個人情報保護法ってやつが約3年前に発効してボクたちの身辺はなんとなく保護されているような気配はあります。でも本当にそうなのでしょうか?どうやらそうじゃないらしいってのは昨今の「ウィニー騒ぎ」を傍観しているだけでも歴然としています。

それでも、今文明が目指すのは「ユビキタス・ネットワーク社会」です。

ユビキタスというものを軽く学習しましょう。語源はラテン語でいたるところに存在する「偏在」という意味で、国立国語研究所による言い換え例では「時空自在」となっています。要するにインターネットなどの情報ネットワークに、いつでも、どこからでもアクセスできる環境を指していて、ユビキタスが普及すると、場所にとらわれない働き方や娯楽が実現できるようになるそうです。

まったく電脳でないボクが四の五の言うのもお恥ずかしい限りですが、多分「大きな間違い」はしないと思うのでもう少しボク流のお話を続けます。

冷たい雨の降るお出かけ先で「あ、お風呂沸かしてきたらよかったぁ。」とか思ったときには身に着けている端末から「風呂の栓をしっかり締めてお水を適量湯船に注ぎそのあと42度までお湯を沸かして保温状態」という指示を我が家のお風呂場に飛ばしておいて、家に帰るや否やあったか〜〜いお風呂にしゃ〜せ気分で飛び込むことが出来たりするようになるのです。想像力が貧困なボクはこの程度しかユビキタスの便利さを膨らませることができませんが、要するにユビキタス社会ってのは社会・経済を含め個人の生活にまでめちゃくちゃ法外な「便利」をもたらすようです。

インターネットをするときにはそれぞれの端末に「住所」が割り当てられます。これが俗にいう「IPアドレス」で、これがなくてはネットは始まらないしこれによって「情報発信者」を特定することもできます。IPアドレス、普段は「不可侵の場所」ですが、犯罪などに絡むときにはこの「住所」から犯人を特定したりもします。40億も用意されていたIPアドレス。当初は必要にして十分な数と考えられていたのでしょうが、「いつでも、どこからでもアクセスできるユビキタス社会」を前にして圧倒的なアドレス不足に陥ることが判明しこれからは「IP V6」と呼ばれる40億X6通りのアドレスが割り振られるようになるそうです。そうでもしないことには「至便のユビキタス社会」を賄うことは不可能なんでしょう。

想像を絶する数で割り振られるユビキタス社会のIPアドレス。その全てが特定の個人や組織とつながっています。

「個人情報保護法」vs.「ユビキタス社会」

いかなるファイアー・ウオールを用意したとしても、ボクには「ありえない共存」に思えてしかたありません。

雑感雑記 #274 (4/26/06記)

「熟成期間」

環境ホルモン。

生物の内分泌機能に影響を及ぼす化学物質であり、簡単に言うと、環境中に放出された化学物質が、体の中に入りボクたちがもつホルモンと同じような働きをしたり、ホルモンの働きをじゃましたりするものだそうです。1920年以前には人間の体内に存在していなかった500種類以上の人工化学物質が今ボクたちの体の中に蓄積されているそうです。なんだか怪しそうだというだけで、今後この環境ホルモンがボクたちの神経系、免疫系そして生殖系をどのように蝕んでいくのかまだはっきりとは見えていないのが現実です。人間の例をひくのはあまりにも生々しいので、別の生き物でひとつだけ例をあげておきます。日本全国の海に生息するイボニシという巻き貝のほぼ100%の雌が雄化しているそうです。

これからどうなっていくのかはっきりとは見えない環境ホルモンのもたらす影響。でも確実なことはボクたちが母なる地球を汚染するだけ汚染し続けた結果、何十年もの「熟成期間」を経て自然が今ボクたちにその「答え」を突きつけようとしているということです。

石綿・アスベスト。

今では「静かな時限爆弾」として中皮種や肺がんとの因果関係が明白になっているアスベスト。1970年代には安価で耐久性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などの特性に非常に優れていたので「奇跡の鉱石」と珍重された代物です。ボクの小学校時代などには理科室での実験で平気で石綿付き網などを使っていました。推計によると2040年までにはアスベストが原因で発生したと思われる中皮種や肺がんによって死亡する人は10万人になると考えられています。また当時アスベストを大量に使用したビルの寿命による立て替え時期がまもなく本格的にやってきて、新たなアスベストによる被害も生まれるのではないかと懸念されてもいます。

アスベストもやはり「奇跡の鉱石」の座から「静かな時限爆弾」に転落するのに30年の「熟成期間」を必要としました。

上記2つは今普通に社会生活を営んでいてもよく目にする危険信号です。実は今回の雑記でボクが取り上げたかったのはこの2つではなく、少し前に目にしたこのニュースのことだったのです。

カナダ・オンタリオにあるレイクヘッド大学がインターネットに無線で接続できる場所を制限しました。これは学生の健康に対する「電磁波」の影響を心配した学長が決めたもので、生物学と動物学の学位を持っている学長は「電磁波がガンを引き起こす可能性がある。」と主張しています。これに対し学生らは「心配しすぎ」と反発しているということで、学生団体の代表は「科学技術の利用で知られる大学なのに無線接続できないとは!」とこぼしているそうです。

また世界保健機関(WHO)は今年電磁波対策の必要性や具体策を明記した「世界保健基準」の原案をまとめていてこの秋にも公表して加盟各国に勧告することになっています。日本政府は電磁波についてWHOの基準公表を受けたら関係省庁で対応を協議するとはしているものの、今現在は「健康被害との因果関係が認められない」としています。

「電磁波」には人体に対して具体的にはどのような影響があるのでしょうか。

ボクたちが、もしくはボクたちの子孫がその答えを知るために必要な「熟成期間」は電磁波の場合どれくらいの時間が必要なのでしょうか?

どのような影響があるのかが明白に分からなくとも「電磁波」はきっと人体に相当の影響を与えるであろうと意識しそれを避ける自分なりの方策を模索しはじめることだけはしておいた方がいいのではないかとボクは確信しています。

未来の誰かが、ま、もし誰かが残っているとすればの話ですが、「2006年の現状」などを振り返りに来たときのために、そのあたりの今ボクが感じている懸念を書き留めておくことにしました。

雑感雑記 #275 (4/27/06記)

「THE BIG ISSUE」

ホームレスの自立支援を目的として発行されている雑誌です。イギリスで1991年にスタートしたこの運動は約10年遅れた2003年に大阪に上陸してもうじき丸3年になろうとしています。


仕事をしたくても働く場所がなかったり、自分の意思に反してホームレス生活を余儀なくされてしまった人たちの自立を支援する役割を果たしています。仕組みは簡単。登録をしたホームレスは最初の10冊を無料で受け取ります。定価は1冊200円。これを販売して得た2000円を元手にその後は1冊90円で仕入れて販売。1冊につき110円の利益を得ます。利益率としては悪くありませんが、人前に立つのですから風呂にも入って、こざっぱりと身ぎれいにしておかなくてはならずそれなりの経費もかかります。しかも買ってもらうのを待つ商売なのでどれくらいの売り上げが出るかは予想も難しく厳しい「商売」とも言えます。

 

何かボクにできることをと考えて2003年12月の創刊3号ではボクもインタビューに応じる形で出させてもらいました。そしてその後も街角でビッグ・イシューを手にたたずむ彼らを見かけたら積極的に購入することにしています。
ビッグ・イシューのホームレス自立支援運動を「きれいごと」と捉えるむきもあることでしょう。でもボクは断じてそうは思いません。「権利」ばかりを声高に叫んで何もせずにいる輩よりは数段上等な心がけだと考えます。

先日も販売員のおじさんを見つけ、いつも通り近づいて行って200円を差し出しました。
おじさんはちょっと困ったような顔をして「あの〜、中身はJapanese Onlyですけど・・・」と彼の知っている英語を総動員して語りかけてくれました。どうやらボクを外国の人と思われたようです。「だいじょうぶやで。ボク、大阪弁バリバリやさかい。」と答えて雑誌を受け取りました。

買って欲しいおじさんと買いたいおじさん、どちらの顔にも柔らかい笑みが浮かんだ午後でした。

雑感雑記 #276 (4/28/06記)

「さてさて・・・・」

世の中憤ろうと思うとどんなことにも目くじらを立てることが出来ます。
実は今週の雑感雑記は最近気になって仕方ないことばかりを列記してみたのです。

確かに「うん、その通り!!」のことばかりなのですが、如何せん話題が話題だけに笑顔に乏しい雑記たちの1週間になってしまいました。ボクは基本的には笑顔が好きです。もっと言うと「おばか」が大好きな人なんです。そこでいつも読んでくださっているあ〜たにお伺いしたいのですが、「かた〜いお話」と「やわらか〜いお話」のどちらがお好みでしょうか?もし可能ならぜひ教えてください。ボクのホームページ ( http://www.kabocha.co.jp )にはボクに直接メールが送れるようになっていますのでよろしくです。まあ、それによってどちらかばかりになってしまうこともきっと無いとは思うのですが、一応読み人目線でどうなのか知りたいなと思いました。人にものを頼んでおいて何ですが、お返事はきっと出せないと思いますのでこれもご了承を。

と、徒然に書いてきながらひとつみなさんに謝罪せねばならないことがあるのを思い出しました。

4月6日に認めた「ちょっぴりこわいはなし」って雑記に関してなのですが、読んでいない方のために重複してしまいますが、載せてみます。まずは読んでいただければ・・・・・
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明けるのが早くなったとはいうもののボクが自宅から事務所に向かう午前4時過ぎはまだ真っ暗。ボクには「今日」という時間がスタートしているのだが、街はまだ「昨日」を引きずった佇まいで微妙な違和感に包まれている。

三叉路には事故を防ぐためのカーブミラーがある。ボクがメイン道路に入っていく立場なのでいつも一旦停止してミラーを確認。今朝はメイン道路を走ってくるヘッドライトがミラーに映っていたので、やり過ごそうとしばらく待った。ところが向こうの車も三叉路直前で近づいてくるのを止めた。いくら待ってもそれ以上近づいてこない。「先に行けってことかな?」と思いそろりと左折。メイン道路に出てバックミラーで確認してみると車などいなかった。忽然と何もなく道路の暗がりだけがそこにあった。

春の全国交通安全運動、今日からスタート。
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先日の朝、気づきました。
ミラーに角度がつきすぎているようで、映っていた車は「ボク自身の車」だったのです。

わ〜〜〜、すみませんでした。

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