11月6日ー14日(Holidays in Italy)
" Mi chiamo Giovanni. "
ほぼ5年ぶりのお休みの行き先は「歴史」が束になって旅行者に襲いかかってくる国、イタリアでした。8泊9日でベニス、フィレンツェそしてローマの3都市を巡ってきました。
無造作にカメラを向け、どこでシャッターを押しても切り取られた風景はそのまま「絵はがき」として完成している。これがボクのイタリアについての感想です。膨大な写真を整理しながら、ここを見に来てくれているあなたにもその「絵はがき」のおすそ分けをと、ちょいとアルバムにまとめてみました。楽しんで下さい。
フィレンツェ中央市場のお肉屋さんの天井からぶら下がる生ハムの凄さにビックリしました。おいちゃん、目ざとくボクを見つけて「喰え、喰え」と生ハムをスライスしてサービスしてくれました。塩気が最高だったんですが、お値段ちょいボラレたりするとやなのでそーっと後ずさりして逃げました。
市場を出てすぐにあったステキなお庭でまた「ボクのお庭にようこそ!」のポーズをしてみました。決して「コアリズム」体操ではないので誤解のないようにお願いします。
次にやって来たのがDuomo(ドゥオモ)と呼ばれる大聖堂。当然真下で「ドーモ、ドーモ」と挨拶するのは忘れませんでした。
大きな丸屋根のてっぺんまで登れると聞いたので8ユーロ払って、四百何十段の階段をエッチラオッチラ登りました。細い階段で途中人があんまりいないので「落書き禁止」の注意書きがあるにもかかわらずものすごい数の落書きが様々な言語で壁に殴り書かれていました。もちろん、日本語もその中にちらほら。世界中からやってくる「うすらバカ」の数のあまりの多さに悲しくなりました。
大屋根にたどり着く前にドゥオモの内部を見下ろせる場所に出ます。フロアにいる人がアリさんより小さく見えて「縮みあがって」しまいました。ってか、下を見ずにシャッターを切りました。ほいでその後も相当がんばって展望台に到着。もう全身汗だくです。とにもかくにも登頂記念に一枚だけ記念撮影。でもほとんどフィレンツェの街を見下ろすことはできませんでした。さっきは「縮みあがった」だけでしたが、今回はちょっと「ちびった」と思います。(このひきつった笑顔がそれを物語っているでしょ。)
恐怖に打ち勝ち「ちびり」を乾かしながらやっと地上に生還出来た嬉しさは登っていないあなたにはきっとわかってもらえないことでしょうが、とにかく、生還記念に現地でもとっても人気だというおいしいジェラートのお店GROMに入って「マロングラッセ」のピッコロをムシャムシャといただきました。甘露甘露でございました。
その後、共和国広場のそばのBar(バール)で「着席無料」とは読めないんだけど、でもきっと着席無料を主張しているんだろうなと思えるイタリアの人が書いた看板を見かけたので笑いながら一応写真を撮らせてもらいました。あはは。でもある意味、アートです。
んで、そのあと何広場だか忘れた広場に行くともうそこにもミケランジェロさんやら、何やらさんのブロンズや石像が林立していて説明を受けていても口がポカーンとするだけで頭ん中がウニになりました。そして口は乾ききって閉まりませんでした。
夕方晩ご飯前にフィレンツェの街が一望出来る高台、ミケランジェロ広場に登りました。息を呑む街の美しさに寒さも忘れてしばし見入ってしまいました。ほんとうに綺麗でした。
余談だけど、宝石で有名なベッキオ橋には恋人たちが取り付けたのであろう南京錠がたんと光っていました。国は変われど、いずこもすることは同じです。「この中でどんだけが成就して、どんだけがあかんかってんやろう。どうせほとんどあかんかったんちゃうん?」なんて考えているだけで意地悪おじさんはニヤニヤと楽しくてしょうがない夕方でした。
晩ご飯はフィレンツェ名物と言われるT-ボーンステーキをメインにまたローカルなお店でイタめしを堪能しました。
次の日はローマに向かいます。駅で待ち時間が長かったのでお昼に駅スタンドのピザをコークと共にやっつけてみました。もっそいファーストフードだったけど、これはこれなりに旨かったっす。んで、やっとこユーロスター列車がやって来たので今回はその本物をバックに1枚押さえておきました。
そしてローマ2日目も快晴。ハイヤーに乗っかりローマの街を縦横無尽に見物。コロッセオはでかかった〜。でも入場がおもくそラインアップだったから外から眺めるだけにしました。コロッセオの外にはプチ・凱旋門みたいな門もあり、お馬に乗ったおまわりさんがカポカポ巡回しているのを見つけ「フン、観光者向けにやってるだけでしょ。」なんて通ぶったことを言おうとしたのですが、やっぱもったいないので一枚撮っちゃいました。がはは。
ほんで次は「真実の口」。ちょっとだけ並んで口に手を突っ込んで記念撮影。噛まれてもいないし、痛くもないのに痛い顔をするのは大変でした。 ん?何ですか?「うれしそうやん!」って? いえいえ、無理してやっているのです。
たっぷりローマを動き回ったので、また名前は忘れましたが老舗のBar(バール)でコーヒータイム。ついでにトイレを借りに奥に行ったらおじいちゃんが焙煎し終わったコーヒー豆を麻袋に袋詰めしている風景に遭遇。あまりにいい香りでのどかな「絵」なので1枚コッソリ撮らせてもらいました。
あ、そうそう、トイレってあんまりないのでもっぱらBarで借りちゃいます。今回みたいにお金払ってコーヒー飲むときは「おら、客だもんね、トイレ使わせてもらって当然だけんね。」って顔で威風堂々とトイレに行けるのですが、そうじゃないときは背中を丸めてコソコソと行かなくっちゃいけなくて、とっても気のちっこいボクはこれで3kgsは痩せました。(ウソです。)
ほんでその後トム・ハンクスの「天使と悪魔」にも出てきた天井に穴があいた聖堂(名前忘れました、もうほんまにごめん。)に行った後、この映画のメイン舞台になったバチカン市国にも潜入し、サン・ピエトロ広場でも1枚写真を撮りました。この国にパスポート無しで入ったのはボクが初めてだそうです。(ウソです。)
んでまあ、その後ご存じトレビの泉に出かけて「またローマに帰ってこられますように。」と50セント後ろ向きに放り込みました。ボクは上手に投げたのでまたローマに行けるようですが、横のオレンジのおばさんはあまりにも下手に投げたので無理だったようです。(ウソです。)ま、とにかく、またローマに帰られると分かったので、サングラスで決めた写真も押さえておきました。何故サングラスで決めるのか? それは・・・・まぶしかったからです。
んで、その夜はスペイン広場のずっと上にある有名レストラン(名前忘れた!)に行って、何とかキノコとお肉のスパゲティと、何とかキノコのステーキという「何とかキノコ」ずくしの香ばしい夕食をいただいたのであります。当然ワインも1本やっつけちゃって、もうへべれけナイトでございました。(毎日へべれけじゃなかったの?って質問にはお答えしません。)
んで、両替ですよ。貿易時代も長かったのでボクはこういうの得意です。
トラベラーズチェックが安全で1対1で換金出来ることなんて当然知っています。だから現金も少なくなったのでサラサラとサインをしてたっぷり替えてもらおうと両替屋さんに行きました。す、すると何と15%も目減りして返ってきたのです。つまりここは「銀行」ではなく私設両替商だったの。だから当然っちゃ当然で、それをしっかり確認しなかったボクの完璧なケアレスミス。「わ〜〜、なんでなんで?そんなんいやや!それやったらもっかいボクのさっきのトラベラーズチェック返して!」ってがんばってみたんだけど、もうパスポートナンバー照会から何から全部済ませた上での換金なのでそれも無理。泣く泣く諦めることにしました。とほほ。
とほほ気分で街を歩いているとパリなんかでも晩秋の風物詩になっている「焼き栗」が売られていました。10個で4ユーロ(約550円)。換金で大損こいたばかりのボクには痛い金額だったけど、心の傷を癒すために購入しました。ホクホクの栗を食べながらローマの街を歩いていると大損のショックも消え・・・・ませんでした。 ワァ〜〜〜〜ンッ!
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ローマ最終日のハイライトはバチカン美術館。システィーナ礼拝堂を含めてのツアーは圧巻でした。ま、とにかく写真で楽しんで下さい。
ボクが息を呑んだのはステインド・グラスの華麗さ。ほんっとにきれいでした。
それと下右にある無彩色系の天井画。これは陰影がついていて立体的に見えるんだけど、実は「だまし絵」で真っ平らなんですって!その見事な技法に舌を巻きました。すると舌が戻らなくなってビックリしました。(ウソです。)
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バチカン美術館は初体験の旅行者にとっては感動の場。「オー、オーッ」と発せられる感嘆の声は止まることがありません。対する日本人ガイドさんは毎日同じことの繰り返し。無表情な顔から淡々と発せられる説明には抑揚すらありません。ボクを含む日本人6人パーティの大仰な感動の声と平板で無味乾燥の声の対比に違和感を覚えつつ約2時間のツアーは幕となりました。
ボクたちを引率している彼の背中を見ながら彼がローマに来てからこんなに「不感症」になるまでの歴史を小説に仕上げたらきっと面白い本になるだろうな思ったりもしました。
同時にプロである以上同じことの繰り返しにも摩耗せずにいなければ、人生意味がないと強く「自戒」もしました。
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最後の夕食はナポリからのピザ・チェーンだというPizza・Reというお店でカジュアル・ディナー。ピザ生地にオリーブオイルを塗り、塩とハーブをし石釜で焼いたパンがほんまにワインに合ってうまかったっす。
メインはピザの正統、マルゲリータとカルボナーラスパゲティ。いや、もうたまらんほど旨かったっす。
帰国の日のいでたちはローマで買ったちょっとデザインが風変わりなジャケットとダメージジーンズ!最後の1枚もだから決めてパチリ!(あっ、これもコアリズム体操じゃないので念のため。)
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フィレンツェで日本語が中途半端にうまいお店の兄ちゃんに「ヒロシです。」って中途半端に風化したギャグをかまされ、不覚にも笑ってしまったのでその後ボクもイタリアではごく普通の名前だというジョバンニを名乗りずっと
Mi chiamo Giovannni. (ミ・キアーモ・ジョバンニ)とやっていました。ローマを案内してくれたハイヤーのドライバー、ドメニコはニコニコと笑って受けてくれました。
大川さん、和田さん、三浦さん、蔵本さん、ドメニコそしてついでにまりさん、みんなとってもグラッチェ!
ほんとに楽しい旅でした。